コンビニや駅などで、ほんの数分だけ傘立てに置いたはずの傘が、戻ってみると跡形もなく消えている――。
「置いた場所は確かだったはず…」「記憶にも間違いはない…」それでも、傘はどこにも見つからない。
そんな経験をしたことがある方は、きっと少なくないのではないでしょうか。
傘は、日常に欠かせない実用的なアイテムである一方で、「持っていっても大ごとにはならない」と思われがちな存在でもあります。
価格の高い傘であっても、外見では分かりづらく、持ち主を特定しにくいという特徴が、他人の手を伸ばさせてしまうのです。
残念ながら、傘の盗難は日常的に起きています。
今回は、大切な傘を守るための対策をご紹介します。
なぜ傘は盗まれてしまうのか?
ある平日の昼間、東京都内の銀行前で起きた出来事。
60代の男性が愛用していた高級撥水傘を傘立てに置き、店内へ。わずか3分後に戻ると、そこには見覚えのない安価なビニール傘が置かれていたそうです。
これは決して特別な話ではありません。
問題なのは、盗んだ側が「借りただけ」「間違えただけ」と言い訳しやすい状況にあるということ。
誰でも使っている。どれも似ている。
だからこそ、傘は盗まれやすいのです。
駅、コンビニ、スーパーなど、傘立てが無人になりやすい場所では、盗難や取り間違いを防ぐ工夫が必要です。
今日からできる、傘の盗難対策
1. 傘に「これは自分のもの」と語らせる
見た目が似ているからこそ、間違えられてしまうのです。
ならば、ひと目で自分のものだと分かるようにすることが第一歩。
- 持ち手にカラーテープを巻く
- 名前入りのタグやシールをつける
- 目印となるキーホルダーをつける
- 防犯ステッカーを貼る
視認性とオリジナリティが、盗難・取り違え防止には欠かせません。
2. 傘に鍵をつける
自転車用のワイヤーロックのような方法も効果的です。
しっかりと固定できなくても、鍵があるだけで「盗みにくそう」と思わせる抑止力になります。
手元に小さな加工が必要な場合もありますが、傘を守る価値は十分にあります。
3. 手から離さない
電車では座っても手に持ち続ける、お店では可能な限り傘立てを使わず、席の近くに持ち込む。
バッグや荷物に傘を結びつけておくのもおすすめです。
4. 折りたたみ傘を活用する
そもそも傘立てに置かない、という考え方もひとつの防犯策です。
折りたたみ傘ならバッグに収納でき、盗難リスクをぐっと減らすことができます。
また、置き忘れや予備の購入の防止にもつながります。
5. ビニール傘の使用を避ける
ビニール傘は「安いし盗まれても仕方ない」といった心理が働きがちですが、盗む側から見ると「誰のものでもない」ように見える存在です。
安価で見分けがつきにくい傘ほど、盗難のターゲットになりやすいのです。
6. 防犯カメラや専用グッズを活用する
最近では、傘立て付近に防犯カメラを設置している店舗も増えています。
レジ横に設置されている場合もあり、万が一のトラブル時の記録として活用できます。
また、傘に取り付けられる鍵やアラーム、防犯タグなど、専用の盗難防止アイテムも多く販売されています。
最後に
傘は、雨の日にあなたを守ってくれる存在であり、ときにその人の個性をも表すアイテムでもあります。「ちょっと借りただけ」という言い訳の裏にあるのは、れっきとした窃盗行為。どんな理由であっても、他人の傘を勝手に使うことは許されるものではありません。
だからこそ、傘を守るという意識は、自分自身の持ち物を大切にすることにもつながるのです。
今日から、あなたと傘との付き合い方を、少しだけ見直してみませんか?